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ウポポイを“嘘ぽい”と批判する人の論理を解説

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今年開業したウポポイについてですが、「歴史の捏造であり、嘘である」「アイヌ利権の象徴である」「中国共産党が関与している」等の批判の声が後を絶ちません。多額の税金が使われたことや、大々的にCMが放送されたことに疑問を感じた方も多かったのではないでしょうか。

この記事では、上記のようにウポポイに批判的な意見を持つ方の論理についてまとめてみようと思います。桜チャンネルの水島聡氏、小野寺まさる氏らや、的場光昭氏、篠原常一郎氏の意見を参照しています。

ウポポイが嘘であることの理由

アイヌ民族が北海道の先住民族というのは嘘

https://mainichi.jp/premier/business/articles/20190329/biz/00m/020/002000c

彼らの主張の中でもよく語られているのは、「アイヌ民族はそもそも北海道の先住民族ではない」ということです。具体的に言えば、北海道には古来から和人の縄文文化、擦文文化が存在し続けており、アイヌ民族は13世紀に中国・ロシアに近い沿海州(つまり大陸)からやってきた、ということです。つまり、もともと北海道に住んでいたのは日本人のみで、鎌倉時代に大陸からやってきたアイヌ民族は、北海道の先住民族ではない、という論理です。そのため、ウポポイの施設内にあるシアターで、「アイヌ民族は北海道の先住民である」と述べていることを痛烈に批判しているのです。

アイヌが大陸からやってきたことの根拠として挙げられているものの一つには、アイヌ民族固有の刑罰が挙げられます。”はなきり”の刑といって、婚前交渉や不貞を働いた人の鼻を切り取るという刑罰がアイヌ民族にはあったと言われています。この刑罰は中国古来のものであり、日本にはなかったものであるから、アイヌ民族は大陸から来た民族であると主張しています。また、アイヌ民族の墓制がご遺体をなるべく浅く埋めるのに対し、北海道地方には和文化である江別古墳群が存在することも、アイヌ民族が先住民族であったことに矛盾する根拠として挙げられています。

それに付随して、ウポポイによる誤ったアイヌ文化振興は、中国の影響力が強いという意見もあります。ウポポイに明とアイヌが朝貢貿易をしていたという虚偽(彼ら曰く)の記載があることも、この影響の1つとして挙げられています。

【アイヌと中国のつながり】

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http://daishi100.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/post-9b0d.html

そもそも、ウポポイのある白老ポロトコタンの周りにある遺跡は、縄文、擦文文化の遺跡であり、アイヌ民族とは関係のない土地でありました。そのエリアに10年前、唐家セン(とうかせん)という中国の要人が視察を行い、その後も大使等の要人が訪問しており、そのたびにアイヌの人々と必ず会っているという事実も紹介しています。また、日中国境正常化の前から先住民族同士の交流があることも指摘。彼ら曰く、中国の狙いは「アイヌに先住民族としての権利を主張させて、彼らの自治区を作ること(ここに中国が強い影響力を持つようにする)」であり、実際にアイヌ協会の札幌支部では、独自の国旗・国歌・警察・軍隊の作成を検討しているようです。ウポポイ周辺の土地を中国が買収している疑惑についても現在調査中であり、一部のアイヌの人々がそのように動いていることを危険視しています。
➤以下は代表的なウポポイ批判書籍

↓中国が北海道を重要視する理由を1分で解説

アイヌ民族は「平和で、寛容な民族」というのは嘘

シャクシャインの戦い】アイヌ民族と松前藩が対立した背景とは | 歴人マガジン
https://rekijin.com/?p=28954

ウポポイの開会式において、アイヌ協会前理事長の加藤氏が、「アイヌ民族は古来から平和で寛容な民族であった。」という趣旨の発言をしていたことにも批判があります。河野本道氏の著書である「アイヌ史」の中に、数々の戦いの歴史が記録されていることが大きな根拠として挙げられています。また間宮林蔵のの記録から、アイヌ社会には身分制が存在し、酋長とその一族以外は半奴隷の身分であったことや、人身売買を行っていたことも主張しています。

シャクシャインの戦いについても、彼らは現在常識となっている説とは異なる説を主張しています。シャクシャインの戦いは、アイヌの勘違いによるいわばテロだと言うのです。きっかけは、アイヌ部族同士の抗争を松前藩の仲裁したのちに、その片方の部族の人物が亡くなったことです。その人物が仲裁した和人に殺されたと勘違いしたシャクシャインが逆上し、松前藩に攻めあがったというのが彼らの唱える説です。その途中で罪のない女、子供を含む280~400人の和人を殺害したことも強調していました。

ウポポイの展示品は嘘

ウポポイの展示品にも批判の声は上がっています。その最たるものが、アイヌ民族の家屋「チセ」を再現した建造物です。歴史資料の絵から分かる人と建物のバランスから、再現されたチセが本来の大きさの3倍、容積にして9倍も大きなものであると主張しています。また、再現されたチセの窓が冊子でできており、床もフローリングである点、部屋にある装飾品もアイヌ文化にはない漆の食器である点についても批判されています。

建物内にある展示品にも批判はあります。1点目は展示品が全体的に新しいものが多いということです。アイヌ文化を継承、復活させた方々が、1980年以降に作成した作品が多く展示されているからでしょう。下の写真の魚の作品もそうですし、アイヌ文様が入った奥の羽織も新しく作られたものでした。
※この魚は普通にかわいいですよね(笑)

また、小刀や斧、食器の展示にも批判はあります。その理由としては、小刀や斧は本州との交易の中で手に入れたものであってアイヌ文化ではないからというのが挙げられます。当時のアイヌには、製鉄の技術がなかったことを根拠にしています。単に、アイヌの文化ではないから展示を否定するというのではなく、交易で手に入れたアイヌ文化ではないものであると表記することなく、「アイヌの儀式で使用されたもの」として展示していることを批判しているようです。そして、そのような刀をモチーフにした芸術家の作品を、ウポポイのお土産売り場で28万円という価格をつけて販売していることも批判しています。アイヌのお土産としてこれを販売することは詐欺であるとも言っていますね。

問題の28万円の刀:チャンネル桜の批判動画より

そして3点目の批判が、北海道で発掘された縄文土器や擦文土器が展示されていることへの批判です。その土器に付随して、“蝦夷”という言葉の説明がなされているため、その土器は蝦夷の文化であって、アイヌ文化ではない、と主張しています。博物館の訪問者が勘違いをしてしまう危険があると批判しています。

ウポポイの来場者数は嘘

ウポポイは年間の来場者数を100万人を目標にしていますが、コロナウイルスの影響を受けて、その目標達成は苦しくなっています。そんな中でも、7月の開業から9月にかけて、総入場者数は11万人を達成したと発表されています。しかし、ウポポイに批判的な方の中には、このうち8万人は北海道の小中学生が修学旅行として訪れたものであると主張している方もいます。北海道教育庁学校教育局義務教育課長の川端氏が、修学旅行にウポポイを入れることを推奨した書面を出したことから、「ウポポイへの小中学生強制連行」とも述べています。

ウポポイのアイヌ料理は嘘

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ウポポイでアイヌ料理として食べることができる「オハウセット」に関しても、本来のアイヌ料理とは関係のない食材が入っているとして批判しています。オハウの中に含まれるじゃがいもは、明治になってから北海道で一般的になったものであり、アイヌ料理に入っていることは考えにくいとの点や、当時和人でもまともに食べることができなかった“ご飯(お米)”がメニューにある点を指摘しています。これをアイヌ料理として出すことは、むしろ「アイヌ料理に対する捏造・冒涜」であるとまで述べています。正直、来場者においしくアイヌ料理を味わってもらおうという気持ちに対してここまで言う必要があるかは疑問です。正確性を追求したい気持ちも分かりますが。

ウポポイ嘘論者の言い過ぎな点

・加藤元理事長が、アイヌ民族は「平和で、寛容な民族」という発言をしたことに対して、根拠を持った批判をしている一方で、次のようなことも付け加えています。「こういう来賓が嘘八百で固められているなら、この施設も嘘八百で固められていることを象徴する。」このような表現は、少し感情的で不要なヘイトを招く意見であるように感じます。

・論客の中には、ウポポイ施設内のアイヌ語表記を指摘する方もいました。消火器・送水口をアイヌ語でも表記することは、条例無視の分かりにくい表記であったり、本来アイヌ語で表現できないものを表現していると批判している点については一定の納得ができます。一方で、施設内のAEDにアイヌ語表記がないことを、「アイヌ語表記どうしたの?」と煽るような発言までする必要性があるかは疑問です。

・正直なところ、アイヌ料理への批判も必要だったのかどうかも疑問です。確かに、実際にアイヌ民族が食べていた料理と厳密に同一のものではないのでしょうが、来館者がおいしく手軽に雰囲気を味わえるようにとの配慮だと思います。ウポポイにあるレストランのシェフの方が、アイヌが食していた食材や現代の調理法、食文化を合わせながらおいしいものを提供したいと述べている動画もあります。そのような点に関して、ジャガイモの歴史まで調べて、ウポポイが歴史捏造と主張することはかえってウポポイ批判論者の印象を悪くするのではないでしょうか。

まとめ

歴史や展示物、先住民族の法的定義、中国との関係、予算の使われ方についてきちんと調査し、根拠に基づいて批判することは必要だと思います。一方で、その批判がヒートアップした結果、些末な部分まで揚げ足をとるようにつつくことになり、アイヌ民族全体に対するヘイトが助長されるようなことは絶対にあってはならないと思います。

主要なウポポイ批判動画

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