本記事の内容

本記事では、CTCの同業他社と比較した強み、弱みを独自の視点で解説します。当サイトは、この分析を基に、選考を受けた全てのSIerで選考を通過しました。

本記事の視聴対象者は以下の方です。

  • 伊藤忠テクノソリューションズに興味がある方。
  • 伊藤忠テクノソリューションズの選考を受ける方。
  • 伊藤忠テクノソリューションズの詳細な企業分析を行いたい方。
  • 他のSIerと差別化ができず困っている方。
  • SIer業界に興味がある方。

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伊藤忠テクノソリューションズとは

業界売上高9位の大手SIer

企業の特色で選ぶおすすめ企業特集
  • SIer業界第9位の売上高。
  • 顧客のシステムを開発することが主な事業。
  • 自社でハードウェアを持たないマルチベンダーのSIerとしては国内TOP5。伊藤忠テクノソリューションズ、アクセンチュア、野村総合研究所に次ぐ立ち位置。

伊藤忠商事GのITサービス中核企業

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  • 株式の61%を伊藤忠商事が所有している子会社。
  • 現社長、副社長を含めた取締役全員が親会社の伊藤忠商事出身。
  • 伊藤忠G向けのシステム開発も実施するが、外販の割合の方が遥かに高く「独立系SIer」と呼んでも問題はない。

売上高5709億円/利益率8.1%/従業員数4784人

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  • 売上規模で見ると国内屈指の大手SIer。直近15年成長を続けている。
  • 利益率はSIer業界では中の上。近年は改善傾向にある。
  • 従業員数も多く大企業と呼べる。採用人数も多いと予想できる。臨時雇用者数が、他のSIerと比較して多い。

事業内容

システム開発の上流工程とマネジメント

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  • システム開発の上流から保守運用までを一貫して担う。
  • CTC本体の社員は、特に要件定義や設計等の上流工程を中心に従事すると考えられる。
  • 要件定義や設計だけでなく、開発以降のフェーズに携わる場合も、作業者のマネジメントを行うポジションが中心と想定される。

7つの中核領域

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  • エンタープライズ
    一般企業全般。
  • 流通
    流通、食品、小売。親会社との関係が非常に深い。
  • 情報通信
    通信キャリア。CTCの強み。
  • 広域・社会インフラ
    官公庁、地方自治体。
  • 金融
    メガバンク、証券、クレカ。
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  • ITサービス
    クラウド、セキュリティ、データセンター、運用等の業界横断可能な領域を担当。
  • その他
    グローバルビジネスと新規事業創出。
企業の特色で選ぶおすすめ企業特集
  • 売上構成比では、情報通信事業が圧倒的な柱。この強みについては、次章で解説します。
  • 利益の柱は、安定収益が望めるITサービス事業。非常に高い利益率を誇る。その他のセグメントの利益率にはあまり差はない。
  • グローバルと新規事業は軌道に乗っていない。唯一赤字を出している事業。

強み

情報通信領域での経験と実績

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  • 情報通信領域が、CTC最大の収益基盤であることは既に述べた通り。具体的な顧客先は以下の2つ。
  • CTCと現在最も取引が多い企業は「NTTグループ」「KDDIグループ」。この2社がCTCの2大顧客基盤と思われる。

  • 法人は、単純な見かけでは競合他社との差別化が難しく、伊藤忠テクノソリューションズ固有の強みを説明するのに時間がかかるため、本動画では割愛する。
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  • CTCとNTTの付き合いは、電電公社時代まで遡る。民営化後も、数々のNTTグループ向けプロジェクトを推進してきた。その関係は、現在でも続き、2018年にはNTT向けだけで740億円を売り上げた。一緒に検証ラボを作る等、良好な関係を築いている。
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  • KDDIとの付き合いも非常に長い。確認が取れているだけでも、2001年~2018年の間、常にCTCの売上の10%程度をKDDI案件が占めていた。近年のニュースリリースからも、良好な関係は続いているように見える。
企業の特色で選ぶおすすめ企業特集
  • CTCの強みは、通信会社のビジネスの根幹で仕事ができること。つまり、通信会社のネットワーク回線を構築する仕事ができる。例えば、KDDIのネット回線がスムーズに使えるのはCTCが整備したから。このように、CTCは情報通信領域の中心で仕事ができるSIerであり、他の大手SIerにはこのような特徴はない。

インフラ系開発

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  • データセンターやクラウド、ネットワークのインフラ系の事例が多い。つまり、同業他社と比較して、ユーザーの目に見えない部分(基盤領域)に強いと予想できる。
  • CTCを牽引する柱が、情報通信事業とITサービス事業であることも根拠となる
  • ※基盤系エンジニアの割合が高い等のデータはない。

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  • アプリケーション
    ➡システムにより無限に設計が変わる。
    イメージはプログラミングそのもの。イチから自分たちで作ることができる。例)画面遷移・AI
  • ミドルウェア
    ➡システムの一部分では共通で必要な機能。
    アプリケーションの動作に必要なデータを格納するデータベースソフト、ウィルス対策に必要なウィルスソフト等。
  • OS
    ➡全てのシステムに共通で必要な機能を実現する。
    物理的な機器に最初に入れるソフトウェア。ディスプレイの明るさ、音量、時間表示もOSの仕事。例)Windows、Linux
  • ハードウェア/ネットワーク
    ➡全てのシステムにとって絶対に必要なもの。
    物理的な機器/物理的な機器同士を繋ぐ有線や無線。

マルチベンダー色の強さ

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  • 公開情報を基に検討すると、CTCが扱う他社ベンダー、他社製品の数は群を抜いている。
  • CTCが販売契約を結ぶ製品で、他のマルチベンダーが取り扱いを公表していない製品は多数存在する。
  • 特にシスコとの関係は深く、2020年アジア太平洋地域で最もシスコに貢献した企業として表彰された。日本初で、国内でもTOPの関係性と言える。他のベンダーとの関係性も良好。
  • 同じマルチベンダーとして、競合となる伊藤忠テクノソリューションズ、NRIと比較しても差別化は可能。どちらも、特定の業界を代表する自社製品を抱えるのに対して、CTCは自社の代表的製品は多くない。志望動機にする場合には、念のために他社と比較したデータを準備したい。
  • 商社系という出自もあり、創業当時から海外企業とのパートナシップを形成してきたことが、今日の強みとなっている。

弱み

他社製品への依存

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  • 国内屈指のマルチベンダーであることの裏返しとして、自社の代表的製品のイメージがないこと、他社と比較して自社開発機会が少ないことが考えられる。そもそも基盤系開発案件が多いと予想されるため、自社でアプリ開発をやっていく環境としては、他社と比較して劣位にある。
  • 海外企業との交流が容易になり、当たり前になった今日の環境において、今後も海外企業とのパートナーシップを独自の強みとできるかは不透明。
  • AWS、Azure、SAP、Oracleを始め独占的な製品は、どこのSIerも標準装備である。他社製品の取り扱いで爆発的な成長を遂げたり、市場のプラットフォーマーとなることは難しい。

契約社員/派遣社員の割合の高さ(連結)

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  • CTCは、臨時雇用者の割合が同業他社と比較して群を抜いて多い。
  • 業務知識、技術知識を非正規に依存しすぎるのは危険。
  • *各企業ごとに臨時雇用者の定義が異なる可能性がある点には注意が必要。

年収

業界最上位レベルの年収

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  • ここ数年、SIer業界の中でも圧倒的な伸びを見せている。
  • 日系のSIerでは断トツのNRIに次ぐ2番手争いに食い込んだ。最大手の伊藤忠テクノソリューションズ、富士通、日立よりも給与は良く、学卒の初任給は破格の295,500円。
  • とはいえ、事業の利益率が改善した訳ではなく、経営判断での上昇と想定される。

労働環境

労働環境指標

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  • 平均勤続年数は、男性が11位、女性が8位と低い。特に男性は公表している会社では一番低い。
  • 男性の育休取得率は6位で、まずまずの数字。
  • 有給の取得率は7位で、並みの数字。
  • *大手SIer売上上位13社内の順位。

出典:
女性の活躍推進企業データベースオープンデータ(2023年10月17日時点)(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/opendata/

採用情報

年間150名程度の採用

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  • 毎年安定して160人程度を採用。採用人数は多い。
  • 採用実績校も幅が広い。
  • 年収、知名度、採用人数、採用実績校を総合的に考えると狙い目の企業である。