本記事の内容
SIer業界の主要企業について、業界内でのポジションと差別化要素を整理した動画です。私はこの分析を基に就職活動を行い、選考を実施した全てのSIerで選考を通過しました。
本記事の視聴対象者は以下の方です。
- SIer業界の主要企業一覧を知りたい方。
- 各社のポジションを知りたい方。
- これからSIer業界の選考を実施する方。
- 各社の違いを簡単に知りたい方。
- 志望動機の記載に悩んでいる方。
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SIer業界の主要企業について、業界内でのポジションと差別化要素を整理した動画です。私はこの分析を基に就職活動を行い、選考を実施した全てのSIerで選考を通過しました。
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| Rank | 社名 | 売上高 |
|---|---|---|
| 1 | NTTデータ | 3兆4901億円 |
| 2 | NEC | 3兆3130億円 |
| 3 | 富士通 | 3兆1765億円 |
| 4 | 日立製作所 | 2兆3890億円 |
名実ともに日本のシステム開発業界を牛耳るBIG4。大規模システムをやり切れる数少ない巨大組織。実際にこの4社で国内の公共、金融案件の多くを独占している。これらの企業を1次請けのプライム企業として、多くの中小IT企業に再委託が行われるビジネス構造から、これらの企業はITゼネコンと呼ばれる。 この中でも最も成長率が高いのがNTTデータである。M&AとNTT内の構造改革によって大きく規模を拡大した。 かつては、売上高1兆5000億円を誇った日本IBMを含めて5強の構図であったが、近年はその存在感は弱まっている。
| Rank | 社名 | 売上高 |
|---|---|---|
| 5 | アクセンチュア | 日本法人非公開 グローバル9兆0203億円 |
| 6 | 大塚商会 | 8610億円 |
| 7 | 野村総合研究所 | 6921億円 |
| 8 | 日本IBM | 6493億円 |
| 9 | 伊藤忠テクノソリューションズ | 5709億円 |
| 10 | TIS | 5084億円 |
| 11 | ichiran | 4459億円 |
| 12 | BIPROGY | 3398億円 |
| 13 | 日鉄ソリューションズ | 2916億円 |
BIG4に追随する日本屈指のSIer。BIG4と合わせて日本ITサービス市場の大部分を占める。SIer市場全体の伸びに伴って、ほぼ全ての企業が売上高と利益を増加させている。かつて、3000億円クラブとよばれたCTC、TIS、SCSKが軒なみ3000億円規模から脱却していることからも、全体の成長が見て取れる。 また、これらの企業の平均年収は、TIER1の企業の平均年収に、全く引けを取らない。携わることができるシステムの大きさや幅でこそ少し劣るものの、日本を代表する大企業である。 この中でも、日本IBMとBIPROGYは企業の成長が停滞している点には注意が必要だ。
| Rank | 社名 | 売上高 |
|---|---|---|
| 14 | 富士ソフト | 2787億円 |
| 15 | NTTコムウェア | 2471億円 |
| 16 | トヨタシステムズ | 1753億円 |
| 17 | 日本総合研究所 | 1474億円 |
| 18 | みずほリサーチ&テクノロジーズ | 1404億円 |
| 19 | 電通国際情報サービス | 1290億円 |
| 20 | オービック | 1001億円 |
| 21 | 三菱UFJインフォメーションテクノロジー | 992億円 |
| 22 | 大和総研 | 772億円 |
| 23 | JFEシステムズ | 564億円 |
| 24 | JRシステムズ | 337億円 |
各領域に強みを特化させた中堅規模のSIer。親会社に国内屈指の大企業が存在するケースが多い。富士ソフトやオービック等は、特殊な例である。 親会社が存在することから、携わることができるシステムの幅は狭いが、仕事が継続的で、システムの先にある業務との距離感も近い。自社開発とまではいかないが、完全な独立SIerよりは、顧客に近い立場で仕事ができるだろう。 明確な親会社が存在することから、これらの企業は上場していないことが多く、一般的に情報収集は困難を極める。選考に当たっては、当サイトの企業研究のように深く踏み込んだ情報サイトや、OBOG訪問等の直接企業と関わる機会を有効に活用したい。
| 従業員数(単体) | 21004人 |
|---|---|
| 平均年収 | 842万円 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 男性:66.0%、女性:68.7% |
| 女性割合 | 21.1% |
公共・金融・法人全てで日本トップレベル。
特に、5Gの基地局を始めとするネットワーク系のハードウェア、ソフトウェアの提供と、顔認証技術で他社と差別化可能。
子会社のアビームコンサルティングは、他のTier1SIerが持つコンサルティング子会社と比較して抜群の人材獲得力を持ち、今後圧倒的な強みとなる。
主要SI子会社
公共・金融・法人全てで日本トップレベル。
ただし、他のBIG4と比較して大きなストロングポイントは見当たらない。ジョブ型採用で配属先を限定できる部分は差別化要素となる。志望動機は、個々のシステムレベルで述べるべき。「富士通が担当しているこのシステムがやりたい」等である。
現在構造改革の最中。国内TOPシェアを誇っているメインフレーム(サーバ、OS等)から撤退が決定し、PC事業や電子部品事業も分社化する方針。事業形態は、専業SIerであるNTTデータに近付いている印象を受けるため、これまでの特徴が消えつつある。
主要SI子会社
公共・金融・法人全てで日本トップレベル。
豊富なプロダクトとITを組み合わせることができる点で圧倒的な強さを持つ。①鉄道・家電・インフラ(電力水道etc)・工業ロボット・ビルなどの豊富なハードウェア、②ハードウェアを動かすOT、③データを動かすITが世界レベルで揃う。顧客のあらゆるデータを自社のハードとソフトで収集して、データを基に課題解決のサービスを提供するLumadaは国内企業では唯一無二で志望動機にはしやすい。
主要SI子会社
| 従業員数(単体) | 17000人 |
|---|---|
| 平均年収 | 非公開 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 37.5% |
コンサルのイメージが強いが、世界一のITサービス企業。日本進出は遅かったが、近年は国内でもSIerBIG4を猛追。その背中は見えつつある。
世界一の規模を持つことによるナレッジと、ストラテジー部門を所有するコンサルティング部隊は、他者と完全に差別化できる。
証券会社とセブンイレブンや資生堂、JALなどの複数の大企業に強いパイプを持つ。加えて、日系最上位クラスのコンサルティング部隊を持つ。
SIerとして圧倒的な利益率と給与体系を維持し続けている。仕事量が求められそうな給与でありながら、採用10年前後の継続雇用割合でも非常に高い数値をマークしている。顧客の領域がマッチする人にとってはこれ以上の企業はない。
SIerとして圧倒的な利益率と給与体系を維持し続けている。仕事量が求められそうな給与でありながら、採用10年前後の継続雇用割合でも非常に高い数値をマークしている。顧客の領域がマッチする人にとってはこれ以上の企業はない。
離職率もかなり低い数値。
NTT、KDDI、伊藤忠グループを中心顧客とする。ただ、大手SIerとして公共金融分野にも一定のポジションを持つ。技術軸では、データセンター、ネットワーク、クラウド等のインフラ系の技術に強みがある。
Tier2のSIerの中でも近年の成長ぶりは目覚ましい。直近5年で売上高を1000億円以上伸ばし、利益率も改善傾向にある。
主要SI子会社
| 従業員数(単体) | 9675人 |
|---|---|
| 平均年収 | 620万円 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 21.0% |
一般的な業務システムではなく、電子機器を制御するソフトウェアを指す「組み込み制御」の事業は全体の1/3を占める。
Tier3では珍しく、特定の親会社を持たない独立系のベンダー。金融、法人の顧客軸とハード、組み込み、業務システムの技術軸ともに、この規模感の企業では幅が広い。
| 従業員数(単体) | 3080人 |
|---|---|
| 年収モデル | 702万(32才) |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 19.7% |
自動車・モビリティ関連のシステムを一次請けで担当できる。超大手では、配属リスクがあるが、ほぼ自動的に自動車・モビリティ関連に携われる。
主要拠点が愛知である点も、倍率面や地方志望にとってはプラスとなる。
| 従業員数(単体) | 2777人 |
|---|---|
| 平均年収 | 不明 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 不明 |
| 女性割合 | 28.0% |
三井住友グループのITシステムを担当しており、外販はしない。よって営業がなく、顧客の業務にも精通している。
社内制度にある、グループ各社との人事交流や海外トレーニー制度は他社と比較しても魅力的。
| 従業員数(単体) | 4569人 |
|---|---|
| 平均年収 | 不明 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 男性:60.7%、女性:61.5% |
| 女性割合 | 29.5% |
メガバンク×ITで言うと、日本総研と三菱UFJインフォメーションテクノロジーと志望動機は被る。しかし、内販中心の日本総研と三菱UFJインフォメーションテクノロジー比較して、みずほリサーチ&テクノロジは外販もある点で唯一の志望動機を作れる。外販も思っているより幅は広い。
| 従業員数(単体) | 2022人 |
|---|---|
| 平均年収 | 1120万円 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 非公開 |
ISIDの 【iQUAVIS】は、自動車や精密機器などの複雑なシステム製品の構想設計段階において、設計のすり合わせが必要な箇所を特定し、最適な設計手順を導くことができる日本初の構想設計支援システム。トヨタ、ホンダ、日産等国内自動車メーカ全てを始めとする、大手製造業100社が採用。
金融や電通案件でも固有の案件が存在する。
| 従業員数(単体) | 2007人 |
|---|---|
| 平均年収 | 非公開 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 32.4% |
三菱UFJ銀行/その他MUFGグループ各社のITシステムを担当、外販はしない。よって、営業がなく顧客の業務にも精通している。
日本NO.1の銀行である、三菱UFJ銀行のシステムを担当できる。志望動機としては、同じくメガバンク系子会社の日本総研とは差別化する必要がある。
| 従業員数(単体) | 1855人 |
|---|---|
| 平均年収 | 非公開 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 27.9% |
その他の総研系と同様にシンクタンク・コンサル部門を持つ。シンクタンクとの協業システムがある点は強み。
業界では、親会社絡みの証券と社会保険業界に強い。証券の解説は割愛。国内シェアNO1の健康保険組合システムを持っている。医療保険制度分野においては日本トップ。
| 従業員数(単体) | 1501人 |
|---|---|
| 平均年収 | 758万円 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 非公開 |
日鉄ソリューションズと同様に鉄鋼大手をグループ会社に持つSIer。日鉄ソリューションズと比較すると差別化は難しい。製造以外だと、食品/金融が強い。
HPに記載の「製品・サービス」ページから大量の自社開発システムを詳細に公開している。IT未経験に対しても非常に可読性が高い。志望動機としては、これらを狙うとかなり明確に述べることができる。
| 従業員数(単体) | 689人 |
|---|---|
| 平均年収 | 非公開 |
| 採用10年前後の継続雇用割合 | 非公開 |
| 女性割合 | 非公開 |
鉄道関連のシステムに携われることが最大の魅力。志望動機としてはそれだけで差別化が可能。
JRシステムが手掛ける最大のサービスは、「MARS」である。MARSは、駅やみどりの窓口などに設置された9000台を超える端末とつながり、指定席や乗車券などのチケットを扱う、JRの座席予約販売システムである。